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2004.09.29

ライブドアvs楽天

プロ野球新規参入問題で注目される
二つのベンチャー企業の経営者の人生哲学と
会社の実態はどんなものなのだろうか。

●三木谷楽天社長の人生哲学

「人間には2つのタイプしかいない──」。
「様々な手段をこらして何が何でも物事を達成する人間」と「現状に満足し、ここまでやったからと自分自身に言い訳する人間」。
「楽天」の採用情報コーナーの「成功のコンセプト」の冒頭にはこう書かれている。「成功のコンセプト」は「世界一のインターネットサービス企業という目標達成のために代表取締役の三木谷浩史が考えた社員のための行動指標」なのだそうだ。
 やれやれ。申し訳ないけど、これを見たとたん、どっと疲れた気分になってきた。
 プロ野球史上初めてのストに続く世間の注目は、楽天とライブドア、どちらがプロ野球に新規参入できるのか。楽天は、当初は大阪か神戸を拠点にすると言っていたのに、ライブドアに真っ向から対抗するかのように仙台を拠点とする申請書を出した。「様々な手段をこらして何が何でも物事を達成する」という言葉は、たんなる「コンセプト」でも何でもなく、まさに行動原理のようだ。
 ライブドアを応援する義理は何もないのだが、「同じビルに本社があるんだから、ひと言ぐらいそう言ってくれでもいいんじゃないの」といつものTシャツ姿で、「すねたよ、ボク」とでも言いたげにボヤくライブドア社長のほうに親近感が湧くのは致し方ないところだろう。あまりにアグレッシブな楽天のやり方がえげつなく感じたのは私だけじゃないはずだ。
 ライブドアが近鉄買収を言い始めた夏まえには、三木谷社長は「自分たちはプロ野球に参入するつもりはない」と言っていた。それなのにいまになって、自分たちもじつはプロ野球参入を検討していたと言っているのもどうもよくわからない。いや、夏まえどころか、9月15日にメディアが「楽天参入の意向」をさかんに報じ始めたその日、「検討はしているものの機関決定をしているわけではない」とわざわざ社長名のリリースを出している。と思うまもなく翌日には、当の社長がテレビで参入すると言っている、朝令暮改を絵に描いたような変転ぶりを演じている。先の「成功のコンセプト」の第5条は、「スピード!!スピード!!スピード!!」と書かれているけど、まさか決定を覆すのも「スピード」というわけではあるまい、と皮肉のひと言も言いたくなるようなドダバタ劇だ。「ライブドアつぶし」で急遽社長が決断して打って出たとしか思えない。
 さらに決定的に「やだな」と感じるのは、申請書にこれ見よがしに書かれている「経営諮問委員会」の存在だ。このリストをしみじみ見ていると、野球って庶民のスポーツではなくて、ビジネス・エリートたちのスポーツだったのかと不信感が湧いてくる。トヨタ自動車、三井住友銀行、みずほコーポレート銀行、全日空、日航、大和証券、ウシオ電機、これらの会社の社長の名前がずらっと並んでいる。おいおい、社長たちが野球をするわけじゃあないんだからさ、とカラミたくなってくる。
 まあ、ライブドアも楽天もとりあえず説得しなければならない相手は老舗企業の老経営者たちなのだろうけど、こうしたことすべてをみんなが見ているんだから、勝てばいいというもんじゃあないでしょ、「世界一のインターネット・サービス企業」をめざすというんなら後追いはやめようよ、やっぱりライブドアは、ともかくこれまで戦ってきたんだから‥‥と思うけど、三木谷社長が学んできたアメリカのビジネス・スクールは、きっと「カッコよく勝つ」ことでなくて、「何が何でも勝つ」ことを教えているのだろう。
 三木谷社長は、「ビジネスは最高のエンターテインメント」、「私にとってビジネスは、スポーツのような感覚です。たとえばイチロー選手にとって、野球は仕事であって仕事でないように。私がいつも社内の人間に言うのが、僕らはプロビジネス選手だということ。だから楽しくやったほうがいいし、勝たなくては意味がない」とも書いている。楽しく仕事するの勝つのが同じことであるというのはすごい哲学である。まあ並大抵では、やっぱり楽天の社長にはなれないということなのだろう。

●新しいことを「やらされる」ライブドア

 さて、対するライブドア。
 ベンチャーの社長のかばん持ちをしてそのやり方を学ぶ起業家育成プロジェクトを経済産業省の後援で「ドリームゲート」という組織がやっている。その様子をテレビで紹介していたが、かばん持ちの女子学生に対して堀江社長は終始ぶすっとしていて、「(起業するには)一人でなんでもやんなくっちゃならないんだよ。誰かが助けてくれるわけじゃあないんだからさ」と冷たく突き放し、女子学生がひきつっているところが映っていた。学生から起業してここまで来るのはさぞ大変だったんだろうということをしのばせるシーンだったが、採用希望者向けのページの「社長からのメッセージ」は、楽天よりは、もうちょっと親しみありげに書かれている。
「ライブドアの仕事で面白いところは、新しいことをどんどんやれるところです。そしてライブドアの仕事で大変なところは、新しいことをどんどんやらされるところなんです」とちょっとユーモラス。もっともこれに続いて、「ライブドアが求める人材はギラギラした人、上を目指す人、スキルアップしたい人、お金を稼ぎたい人」。まあユーモラスだからハングリー精神がいらないというわけじゃないらしい。

●楽天もライブドアもじつはネット証券?

 社長の人柄はともかく、肝心の業績はどんなだろう。
 ライブドアは、この9月末までの1年間通期の売上高250億円、経常利益50億円、純利益20億円と8月初めの第3四半期決算発表時に予想している。一方の楽天は、この6月末までの中間決算を単純に倍にすると、売上高は400億円、経常利益が140億円ということになる。純利益は、中国の旅行サイトへの投資に伴う損失などで、中間期は86億円のマイナスとなっている。ネット企業は急成長しているから、計算する期間が数か月ずれると数十億円売り上げが違ったりするので単純な比較はできない。でもまあ、楽天のほうが売上げは多いものの、ライブドアも、(少なくともプロ野球騒動以前の)知名度からすると思いのほか大きい、というところではないだろうか(ちなみにヤフーはこの3月末までの通念で、売上高760億円、経常利益410億円、純利益240億円。いずれのネット企業も利益率は高いが、ヤフーは純利益が売り上げの3割を越えている)。
 楽天とライブドアの決算書類を見ているうちに、おもしろいことに気がついた。どちらも金融部門、つまりネット証券の売り上げが大きくなってきているのだ。
 楽天と聞くと、まず楽天市場を思い浮かべるけれど、中間期決算のEコマースの売上げは89億円。それに対し、傘下におさめて楽天証券と改名した証券会社の売上げも66億円と迫ってきている。営業利益はさらに競っていてEコマース30億円に対し、楽天証券は高収益で27億円あり、ほとんどかわらない数字になっている。つまり財務上、もはや楽天はEコマース会社であるのと同じぐらいにネット証券企業になってきているというわけだ。
 ライブドアのほうはもっと顕著だ。第3四半期までの売上げの半分近くはライブドア証券などからなるイーファイナンス部門が占めている。ポータルサイトやウェブログなどのネットメディア事業は売上げ全体のわずか7パーセントしかない。
 こうした企業の売上げがどこにあるかはなかなか興味深いが、この収益構造は、プロ野球機構の参入審査の委員会でもたっぷり分析されるのだろう。「IT企業というならまだしも、実態がネット証券の会社なんかに、伝統あるプロ野球球団をゆだねるわけにはいかない!」なんて、いかにも頭の固いオーナーたちが言い出しそうだ。

関連サイト
『楽天』のサイトの「採用情報」コーナーの三木谷浩史社長のメッセージ。「自分たちですべての事業を立ち上げてきた自信。それが楽天最大の武器」などと書かれ、自分に自信のない人はちょっと応募しにくい雰囲気だ。
『ライブドア』のサイトのリクルート・コーナーの堀江貴文社長のメッセージ。スタッフ募集ページでも、「人の発想やおもしろいアイデアを実際のサービスとして実現させてみませんか。『そんなこと言われても今すぐアイデアなんて…… でもいつかは自分の考えたもので世の中を便利にしたいなあ』。そんな人でも大丈夫」とソフトなムード。もっとも入社してからどうかはわからない。
●『ライブドア』の売上げの半分近くを占める金融部門の稼ぎ頭ライブドア証券。楽天、ライブドアともに傘下に入れた証券会社の社名に親会社の名前を入れ、グループ経営のメリットを最大限発揮しようとしている。

(『週刊アスキー』「仮想報道」Vol.356)

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コメント

ライブドアに非常に日本の悲惨な未来像を見ます、ライブドアの仕事の戦略、仕事に関しての考え方、方法論には大賛成です、しかしながらこの全く関係ない一個人でも今回の件でやな思いをしながら日々生活をしないといけないと思うともううんざりです。言葉です。経営者の言葉にショックをうけています。このままでは今の若者はわけもわからず目先の経済活動だけのことを考え、既成企業のくそ爺どもと叫び、あの若き獅子の反骨精神に感動したとなみだするでしょう。それが悲惨な日本の未来を象徴してます。若者はあの言葉に賛同し、その言葉を信じ奮起するでしょう、しかしながら口から出た言葉は日本のこれからの時代を悪くしていく事でしょう、犯罪が多発し、心の問題をもつた人が増え、個人レベルでも争いがたえなく、経済が衰退し、他人を押しのけ、われこそは金持ちなりと叫び、日本が光が消えるように衰退していく事でしょう。人の欲求にすべて合わせてメディア活動をするそうですが、まるでローマ時代の末期の民衆の気持ちみたいになりつつありますね、このような言葉の心情が若者や50代の層に諸外国より日本では一気に蔓延することでしょう、ましてや、放送メディアを一個人の経営者の人格から出る心情で既成企業の一般的な考え方まで影響を及ぼす事ができるというのは非常にこわいことです。一般民衆を簡単に洗脳できるからです(特に若者層)本来どれが時代に合い正当性がある心情かは、決められないものです、まして放送企業であれば、じたいはしんこくです、だからこそ、今までのTV局は4チャン、8チャン仲間、また6チャン、10チャン仲間として総体としての心情を獲得して意見が討論できたのです。本来この形がベストとはいえませんが、メディアである以上考え方の派は存在して当然ですが多くの心情が集まった総体である事が民衆の洗脳を防ぐ最低限の方法でした、しかし今これから起きようとしている日本のメディア買収は最低限以下の形にまで落ちてきています、これはまさしく、戦時下の(当時は戦争と言う、政治)軍独裁により単独的な独裁者の心情のみが先行し、それを若者が信じ、世界を乱していきました、まさしくこの経済版であります、次の時代を担う日本のベンチャー企業の経営者達は、きずく人がなぜ少ないのでしょうか、戦争は人が死んでしまうので誰でもいけない事だと築きます、しかしもう戦争できずく時代は卒業して、経済にかかわる経営者の心情しだいでは国が滅びるとこまでなると言う事、戦争と同じようになつてしまうということ、人々の心はずたずたになり犯罪多発、貧困、けしていいような世界は待っていない事が明白です、、なせ単純な道理にきずかないのでしょうか、やっと先進国が世界をここまでひっぱつてきておきながらまた世界的に各国が衰退していく事は明白です。これは日本だけの問題ではないのです、むしろ世界的に心情の生きずマリになってきています、宗教的な部分もそうですし、独裁国家的な部分もそうですし、地球環境的にもそうです、最後のいきずまりとして世界経済になります。このかたちは本来なるべきにしてなったのであり、世界的にすべてに対して新しい革新的な思想が要求される時代になってきています、すべての小さな事象や個人的な考え方がこれからの人類が争い無く、差別無く、貧困なく、新たな人類新時代に入れるか試されているときです、かんたんなことです、やさしく常に人につく心情になれるひとになればいいのです、諸外国は宗教的背景が有り何と頑張ってクリアーしていく事でしょうが、始末の悪いのは日本です、危機的です、はっきりいいますが、日本の多くの企業経営者の心情の成長度合いによつては、日本ははたんします。この破綻がまた世界に大きな影響を及ぼし、世界の人の心の心情成長が100年遅れる可能性を秘めています。このようにならないよう、心を清く持つように努力しましょう。すごくばかげているような考えですがほんとなんですよ。もうそこまできています。これを体得実践できないと20年先の日本の経済はさんざんになります。ならないように頑張りましょう。

どちらにしても、今回の騒動の意味は、ライブドア自身の近い将来訪れるであろう経営難に対する時間稼ぎと思われます、というのは、IT関連企業の時代淘汰が今始まっています、なぜか、インターネットとTV業界の融合は必ず来ます、このことも15年前よりほとんどの企業家は周知のことでした、しかしながら、それを実際生活の中で使うのは人間です、使う側の能力や習慣すらなかなか万人にいきわたっていません、今ですらTV付のPCはあるものの、昔そうだったように、ながらTVとインターネットができて初めて世間一般にしんとうしたといえます、今の状態は一部のPCに詳しい人しかこの状態を維持できません、ようは、思ったほどTVと同じ位にインターネットを日々利用している総体個別人数はすくないのです(もっともアクセス数は莫大ですが)よってこれから10年はIT企業の生き残り食いつき作戦の始まりです、いろいろな業界に手を出すでしょう、なぜなら20年先やっと来るであろうIT、TV時代まで会社を存続させるためのかくとうです、その一つのやり方が今回の騒動です、しかしながら、これから経済が悪化していく日本にとっては、敵対的買収や、金で何でもできるという現実的ぽい言葉は時代をリードし、より日本経済を悪化させるでしょう、へたをすると日本は立ち直れなくなります。理屈ではない。なんていう時代はもう終わったのです、アメリカやヨーロッパの企業家たちはその理念にきじきつつあります、世界的な経済、文化を万人に与得る方向にもっていくためにはどうしたらいいか、もう世界の中の独裁政治国も淘汰されてきています、なぜか、そこには、世界的なグローバル化があるからです、すごく簡単な事です、グローバルになるとは、いろいろな人に、多くの人に情報がいきわたり周知されると言うことです、当然、ひとにやさしくなく、的確でない考えや行動は消えていくのです、しかしながらこれらの現象は人間が生きていく以上必然です。進めば進むほど生まれるものではなく、そこに行き着きまた、その先に行き着くように心情は決められてます、はなしが長くなりましたが、ワケわからないでしょうが、。。。結論1これからの企業家に必要な理念は先見の目は当たり前です、それともっとも大事なものは、よりどれだけよい人格を持ちより先見の目を持ちながら企業のトップになるかにあります今から10年間は世界的にもその辺りの旧体制組み(人格はあまりきにしない企業経営者)と新体制組み(よい人格を持ち合わせ先見の目を見開き民のために生きる経営者)のせめぎあいになります、新体制組が最終的には勝ちますが、今日本の若者が一生懸命(新撰組でない、明治維新をつくつた人たちと同じ現代版の企業家を探してますが、迷っているようです、なせか、、アメリカやヨーロッパの若者達は今企業家に
よりよい人格が必要とされている事をきずきつつあります、なぜか、端的に宗教的影響が色濃くでているからです、日本の宗教基盤は形骸化し、今の若かい人達は基盤も何も無い人が多いようです、心情的な基盤の有り、無しの差がほかの先進国の若い人たちの考え方の違いでしょう、しかしながら、日本では今の十代の人達の中で日本以外の先進国の企業家の理念は同あるべきか、(人格も最優先理念)として取り上げてきている人が増えてきています、彼らが世に出るまでの間、十年間は日本の経済界、企業界は旧理念体制派と新理念体制派のせめぎあいとなるでしょう、しかしながら、旧理念体制企業に行く道は用意されていませんが、新理念体制企業に行く道は用意されてますが、それまでに日本経済がもつかどうか時間差にかカツテいます、できれば、他先進国と同じ理念経済社会が訪れる事を深くのぞみっます。それがかなわなければ日本は先進国には戻れなくなる事でしょう。今の十代がほんとに時代を世界的に変えてくれる事を期待しています。十年先がまちどうしいです。

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